肌の乾燥
生活習慣
2026年5月13日|カテゴリー「生活習慣」
頭痛
低血圧
手足の冷え
倦怠感
うつ・不安
女性のみなさん、
肌の乾燥、頭痛、低血圧、手足の冷え、倦怠感、うつ・不安
これらの症状に悩んではいませんか?
これらの症状は、もしかしたら低体重(やせ)や低栄養が原因で
起こっているかもしれません。
近年、特に日本の若い女性で低体重(やせ)が多くみられ、
低栄養(やせ)や低栄養が健康に影響を及ぼすことが問題となっています。
体質的にやせている方もおられますが、
見た目を重視するあまり、体重を過度に落とすことが良いことだと誤った認識の方も
多く見受けられます。
この問題を解決するための新しい考え方として、日本肥満学会を中心に
FUS(ファス)という新しい概念が発表されました。
FUS(ファス)ってなあに
FUS(ファス)とは、2025年4月に日本肥満学会を中心に提唱された
「女性の低体重/低栄養症候群」
(Female Underweight/Undernutrition Syndrome)のことで、
女性の 低体重/低栄養 症候群
主に18歳~閉経前女性の低体重または低栄養の状態を背景として、それを原因とした疾患・症状・徴候を合併した状態のことを指します。
あなたは低体重?
低体重かどうかは、BMI(体格指数)で判断することができます。
BMI=体重(kg)÷(身長(m))²
=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例えば、158cm 55kg の場合、
55÷1.58÷1.58
=22.0 と計算することができます。
BMI18.5未満が低体重(やせ)です。
女性の低体重/低栄養はどんなリスクや症状があるの?
では、女性の低体重/低栄養はどんなリスクや症状があるのか、確認していきましょう。
骨の強さ(骨密度)は、思春期に急激に増え、20歳頃にピークを迎え、40歳代頃までは維持しますが、
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ってくる50歳前後から低下していきます。
そのため、思春期に最大骨量を高め、20~40歳代ではピークの骨密度をできるだけ維持しておくことが、骨粗しょう症予防のために大切です。
女性ホルモン(エストロゲン)は、骨の代謝で骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶け出すのを抑える役割があります。
ところが、低栄養になるとエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が下がってしまいます。
それに伴って骨密度も下がってしまう恐れがあります。
骨は、刺激を与えると骨をつくる細胞が活発化します。
歩くだけでもかかとに刺激がかかるのですが、
低体重だと普通体重ほど刺激を与えられず骨が衰えやすくなります。
また、必要なエネルギーが足りていないと、年齢に関わらず骨に悪影響を及ぼしかねません。
実際に、低体重の人ほど骨密度が低いことが分かっています。
体質的にやせていて健康な方でも、骨に関しては注意されると良いかもしれません。
先ほど骨がもろくなるお話のところでもお伝えしましたが、
低栄養や極端な体重減少は
生命に関わるかも!と脳が判断し、妊娠しないよう卵巣への指示を止めてしまいます。
それによって、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が下がってしまいます。
それによって、月経不順や排卵障害が起こってしまうことがあります。
母さんのやせは、早産や低出生体重児(満期産で体重が2500g未満)など
赤ちゃんにも影響するとされています。
低出生体重児で生まれた赤ちゃんは、通常の体重の赤ちゃんに比べて、
生まれたあと呼吸が不安定になったり、低血糖になりやすいことがあります。
また、栄養をため込みやすい体質になり、将来的に肥満・糖尿病・脂質異常症やメタボリック症候群といった、
生活習慣病のリスクが高くなることがあると報告されています。
糖尿病は太った人がなる病気だと思われがちですが、
実は太っている人と同じくらいやせている人は糖尿病になりやすいことが分かっています。
日本人のやせた若い女性は、標準体重の女性に比べて食後に高血糖となる「耐糖能異常」の割合が
約7倍高いことが分かっています。
また、エネルギー制限によって甲状腺ホルモンが減少する低T3症候群やLDLコレステロール上昇などが引き起こされるリスクがあります。
加齢による筋量や筋力低下のことをサルコペニアと言われていますが、
若い女性の低体重や低栄養の状態でも同じように筋量の低下との関連を指摘されています。
将来寝たきりになってしまうリスクが上がる可能性があります。
また、筋肉は運動時に糖を取り込んで消費してくれるため、糖尿病予防の観点からも
筋力の低下は大きな問題です。
糖尿病と運動について知りたい方は、過去の記事が参考になるかと思います。
ほかにも、
・微量元素やビタミン不足による貧血や免疫機能の低下、傷の治りの遅延、味覚異常、骨粗しょう症や骨折のリスク
・倦怠感や低血圧、睡眠障害、頭痛、便秘、冷え性、髪質の低下、抑うつ、不安など精神・神経・全身症状のリスク
・摂食症(摂食障害)を引き起こすリスク
など、さまざまなリスクが挙げられます。
さいごに
今回、低体重や低栄養にどのようなリスクや症状があるのかお伝えしましたが、
自分が当てはまると思う方は、毎日の生活習慣を見直してみると改善されるかもしれません。
・朝ごはんを含む3食きちんと食べる
・主食(ごはんやパンなど炭水化物)と主菜(肉や魚などのたんぱく質)を毎食取り入れる
など、できることから始めてみてくださいね。
病気というほどではないけど、なんとなく体調がいまひとつ…
という体からのサインに気づいてあげて、自分の体を大切にしてあげてくださいね。
そして、そこのダイエットをしている、もしくはダイエットをしたいあなた。
美しくなろうという気持ち自体は、素敵なことです。
過度な食事制限による不健康なダイエットではなく、
心も体も健康である「健康美」を目指していきましょう!
2025年11月12日|カテゴリー「生活習慣」
みなさんは、月に何回外食をしますか?
「よく行くよ!」
「たまにしか行かないよ」
頻度はさまざまかと思います。
「外食=味が濃い」というイメージどおり、
外食のメニューは家庭料理と比べて塩分が多めです。
しかし、外食したい気分の時はありますし、外食せざるを得ない時もありますよね。
今回は、外食で少しでも減塩できるコツをお伝えしていきますね。
ジャンル別外食の選び方のコツ♪
和食の定食は、しょうゆやみそを使うので塩分が多くなりがちです。
そのなかでも、お刺身定食や焼き魚定食が比較的塩分が少ない料理です。
お刺身は、お刺身につける醤油の量で塩分の調節ができます。
焼き魚は、干物ではなく生魚を焼いたもののほうが、塩分少な目のことが多いです。
定食系を選ぶメリットは、漬物類やみそ汁は個別に盛り付けてあるところにあります。
具だけ食べて汁は飲まない・食べる量を減らす・食べない等することで、自分で塩分摂取量を調節できます。
一方、丼物は汁がごはんに既に染みていることから、塩分の調節はやや難しい面もありますが、
中華丼など具だくさんの丼もあり、丼物ひとつで主食・主菜・副菜の役割を果たしてくれるものもあるのが魅力的ではありますよね。
丼物だと、天丼や牛丼が比較的塩分が少ないです。
ただし、チェーン店の牛丼は丼物のなかでは比較的塩分が少なめですが、一般的なお店の牛丼のほうが塩分は高い傾向ですので、ご注意ください。
また、卵でとじたかつ丼や親子丼は、卵でとじると味が和らぐため濃い目に味がついており、塩分が多くなる傾向です。
漬物は塩分多いとご存知の方は多いと思いますが、
意外と忘れがちなのは、牛丼によく付いている紅しょうが。
紅しょうがは10gで塩分0.3g程度あります。
よくスーパーなどでついてくる個包装のパックは5g程度のものが多く、1パックあたり0.15gですが、
たくさん使えば使うほど、摂取塩分量は増えてしまいます。
紅しょうがが好きな方は、ご注意ください。
紅しょうがたっぷりが好きなんだ!という方は、
サイドメニューにみそ汁を選ばずにサラダを選び、さらにかけるドレッシングの量を減らすなど、別のもので調節すると良いですね。
お寿司やちらし寿司のすし飯には、塩分が含まれています。
お店によって異なりますが、しゃり1貫で塩分0.1~0.2g含みます。
ネタは、刺身より酢じめや煮たもの、たれが塗ってあるもののほうが塩分は多くなります。
つけじょうゆは片面にさっとつけて1貫あたり0.5gで、塩分0.1gが目安です。
ガリは5gで塩分0.1gです。
しょうゆやガリの量を減らすことで減塩できます。
うどんやそばは、店や地域によりつゆの濃さや具の種類が異なるため、塩分量も多少異なってきます。
塩分を控えるにはめんつゆを飲まずに残す・つゆをつける時に先端だけつけるようにすることが有効です。
甘辛いきつねやかまぼこなどの練り物のトッピングは塩分が含まれています。
参考に、かけそば1杯分(つゆ360mL)の場合
・めんつゆ全量飲むと 塩分4.0g
・めんつゆ1/2量飲むと 塩分2.0g
めんつゆを半分残すことで2.0gの塩分摂取量を減らすことができます。
和定食に比べると全体に塩分少なめです。
バターやスープを控えると減塩に。
ハンバーグなどのソース・サラダのドレッシングのかける量を減らすことでも、塩分を減らすことができます。
パンをライスに代えると、0.7g~1g程度減塩することができます。
スパゲティは、ゆで湯に塩を加えるため、塩分を含んでいます。
スパゲティなら、ソースがシンプルなペペロンチーノやオイルベースのパスタが比較的塩分が控えめです。
スープパスタなどスープやソースが多いものは塩分が多くなる傾向です。
粉チーズ6gで塩分0.2gあり、粉チーズをかけるのをやめると減塩になります。
ピザは生地の部分にも塩分が含まれており、直径24cmのピザ生地のみで2.0g塩分があります。
また、そこにトッピングするチーズは塩分2.8gほどあります。
フレッシュトマトのシンプルなピザが比較的塩分が控えめです。
アンチョビや生ハム、ソーセージなど加工品のトッピングは、塩分が高くなりやすいです。
前菜はチーズ、生ハムや塩漬けの食品より、カプレーゼやマリネを選ぶほうが塩分が少ない傾向です。
中華料理で使う調味料は塩分の高いものが多く、全体に塩分多めです。
お皿に残ったあんや、汁物は残して少しでも塩分を減らします。
丼物のセットは要注意!!
ラーメン・チャーハンセット(和食だと天丼・うどんセット)は塩分が多くなりがちです。
実際に、某中華料理チェーンの栄養成分を参考に、塩分量がどのくらいになるのか
一緒に確認してみましょう。
・中華そば
・餃子3個(イラストは4個ですが…)
・五目チャーハン(ハーフ)
を選ぶとします。
この3品で塩分はどのくらいでしょうか?予想してみてください。
正解は、
・中華そば…6.0g
・餃子3個…1.6g
・五目チャーハン(ハーフ)…4.5g
合計12.1gです。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1日の食塩摂取目標量は成人男性で7.5g、成人女性で6.5gです。
また、血圧が高めの方の1日の目標塩分摂取量は6g未満です。
血圧が高めの方にとっては、1食で2日分の塩分摂取量になりますね。
チャーハンは、お店によりますが1人前で3g前後塩分があります。
セットのものを選ぶ時は、チャーハンセットではなく白ご飯を選んだほうが減塩できます。
また、ラーメンの汁を残すことでも減塩できます。
中華丼は、外食の丼物の中では塩分が少ないほうですが、店によっては濃い味付けの場合があります。
韓国料理のビビンバは、ごま油や辛味が効いてる分、塩分が比較的少ないです。
また、野菜も多く摂れるものが多いです。
ただし、石焼ビビンバのほうがたれを多く使用するため、塩分は高くなります。
【参考】大阪王将カロリー・食塩相当量
ファーストフード:バーガー類ではハンバーガーが最も塩分が少なく、
照り焼き味や和風味、ベーコンやソーセージが入ったものは塩分が多くなります。
セットメニューを選ぶ時、
チキンナゲットをサラダに代えて、ドレッシングを半分かけるなど、選ぶサイドメニューによって塩分を少しでも減らすことができます。
【参考】
野菜をプラスしよう
野菜に多く含まれているカリウムには、体内に余分にある塩分(ナトリウム)の排泄を促す働きがあります。
減塩と同時に野菜が多く摂れるメニューを選んだり、野菜の小鉢をプラスしたりするとグッド!
さいごに
同じ料理でも、お店によって塩分は異なります。
今回紹介したことを参考に、ご自身が召し上がる料理をご確認くださいね。
おいしく減塩して、外食を楽しんでくださいね。
2025年3月11日|カテゴリー「生活習慣」
みなさん、痛風という病気をご存知でしょうか。
今回は、痛風の原因と対策についてお話したいと思います。
痛風は高尿酸血症が原因に
痛風は、高尿酸血症によって関節などにたまった尿酸の結晶が悪さをします。
高尿酸血症とは、血液中に尿酸が7mg/dL以上になった状態のことをいいます。
高尿酸血症は、痛風や尿路結石の原因になります。
痛風の典型的な症状は、その名のとおり「風が吹いても痛い」といわれるほどの関節の激痛です。
痛みは主に足の親指の付け根部分に現れ、赤く腫れあがります。
男性に多い傾向だといわれています。
・尿酸が過剰につくられる
・排泄されにくくなる
と、尿酸の産生と排泄のバランスが崩れてしまいます。
そうすると、血液中の尿酸がどんどん増えてしまいます。
尿酸は、細胞の核酸(DNAやRNA)を構成するプリン体が分解されてつくられます。
つまり、プリン体を過剰に摂取すると代謝により尿酸が増え、
高尿酸血症や痛風を発症するリスクが高まります。
対策はどうしたらいいの?
尿酸値を下げるためには、
食べ過ぎ・飲み過ぎ・プリン体のとり過ぎの「3過ぎ」を防ごう!
肥満があると、血糖を下げるホルモン(インスリン)の効きが悪くなり、
尿酸の体外への排出低下を招くといわれています。
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される値が25以上だと肥満です。
ただし、急激に体重を減らすのは身体にとっても尿酸値にとっても良くないので、徐々に減らしていきましょう。
一時しのぎで極端に食事を減らすのではなく、少しずつでも続けることが大切ですよ。
肥満のない方も、肥満にならないように食べ過ぎないことが大切です。
飲酒については、アルコール摂取量が多ければ多いほど、痛風発症のリスクが高くなります。
最近は「プリン体ゼロ」と書かれたアルコール飲料も売っていますね。
確かに、ビールはお酒の中ではプリン体が多く含まれており、プリン体ゼロの商品に置き換えたり、ビールの摂取量を減らしたりすることで
プリン体の摂取量を減らすことができます。
ただ、それなら大丈夫!と、プリン体ゼロのアルコール飲料をたくさん飲むのは
残念ながらおすすめできません。
アルコール自体にプリン体が含まれていなくても、
アルコールは代謝の過程で大量の尿酸を作り出し、尿酸の排泄も滞らせます。
あわせておつまみとして動物性食品の摂取が多くなることで、プリン体の摂取量が増えます。
さらに、飲酒は食欲を増進して肥満へとつながりやすくなるので、
適正量の飲酒にとどめることが大切です。
★1日の目安量
・日本酒なら1合
・ビールなら500mL
・ウイスキーダブルなら1杯(60mL)
までです。
上記はあくまで目安で、体格や性別、年齢によって個人差はあります。
週2日以上休肝日を設けることも大切ですよ!
まずは週1日からでもはじめてみませんか?
飲むのをやめるのはハードルが高い…という方は、
まず週1日だけノンアルコールに置き換えてみるのはどうでしょうか。
プリン体は食品に含まれています。
特に内臓類や魚介類に多く、過剰摂取は血中尿酸値を上昇させる原因となります。
肉類はプリン体の量は極めて多いわけではありませんが、中程度含みます。
現代の食生活だと肉類は食べ過ぎてしまう傾向にありますので、
肉食が多くならないようにすることもプリン体を減らすコツです。
食品100gあたりにプリン体が200mg以上含まれているものを高プリン体食品といいます。
痛風や高尿酸血症の治療を行けている方のプリン体の1日の摂取量は、400mg程度が推奨されています。
日々の食事でプリン体含有量が多い食材を摂っている方は、頻度を減らしたり、
比較的プリン体が少ない食材を選んだりと、プリン体の摂取量を減らすと良いですね。
- 極めて多い
(300mg~) - 鶏レバー、干物(マイワシ)、白子(イサキ、ふぐ、たら)、あんこう(肝酒蒸し)、太刀魚、健康食品(DNA/RNA、ビール酵母、クロレラ、スピルリナ、ローヤルゼリー)など
- 多い
(200~300mg) - 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、オキアミ、干物(マアジ、サンマ)など
- 中程度
(100~200mg) - 肉(豚・牛・鶏)類の多くの部位や魚類など、ほうれんそう(芽)、ブロッコリースプラウト
- 少ない
(50~100mg) - 肉類の一部(豚、牛、羊)、魚類の一部、加工肉類など、ほうれんそう(葉)、カリフラワー
- 極めて少ない
(~50mg) - 野菜類全般、米などの穀類、卵(鶏・うずら)、乳製品、豆類、きのこ類、豆腐、加工食品など
気を付けないといけないのは、健康食品です。
・DNA/RNA
・ビール酵母
・クロレラ、
・スピルリナ
・ローヤルゼリー
などはプリン体を多く含みます。
健康のためのつもりで摂っているのに、それがかえって身体に悪さをしている場合があるので注意してくださいね。
尿酸を排泄しやすくするために、普段から水分を多く摂ることも大切です。
尿酸は1日に約700~800mg排泄されます。
そのうち約2/3は尿から、残りの1/3は便や汗から排泄されます。
つまり、摂取する水分を増やして尿量が増えると尿酸が身体からは排泄されやすくなります。
水やお茶で1日2Lが目安といわれています。
一気に飲むのではなく、こまめに飲んでくださいね。
ただし、心臓や腎臓の機能が下がっていて水分制限がある方は、主治医の指示に従ってくださいね。
ジュースなどソフトドリンクやアルコールは尿酸値を上げてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
また、コーヒーや紅茶の飲み過ぎは水分を過剰に排出してしまう場合があるのでほどほどにしてくださいね。
また、尿のアルカリ化により尿酸が溶けやすくするといわれている野菜や海藻類を十分に摂ることを意識できるといいですね。
食事以外では運動、特に有酸素運動が効果的だといわれています。
肥満の解消も期待できますね。
具体的な食事内容をお聞きになりたい方は、主治医・管理栄養士にご相談くださいね。
2024年3月2日|カテゴリー「生活習慣」
近ごろ「腸活」という言葉を耳にすることがあります。
「腸活」とは、腸内環境を良くするために食事に気を付けたり必要な運動をしたりする活動のことを指すようです。
今回は、腸内細菌と健康についてお話したいと思います。
ヒトの腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。
これらは、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)や腸内フローラとよばれています。
ヒトの腸内細菌は、
・善玉の菌
・悪玉の菌
・どちらでもない中間の菌
と大きく分けて3つのグループに分けられます。
腸内細菌の中で一番多いのは中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。
腸内細菌の種類は個人によって異なり、さらに食事や在住国などの要因によっても変わってきます。
身体の健康には、善玉菌の割合を増やすことが重要です。
悪玉菌
悪玉菌は、
・たんぱく質や脂質が中心の食事
・不規則な生活
・各種のストレス
・便秘
などが原因で腸内に増えていきます。
腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、
これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
善玉菌
一方、健康的な腸内細菌は、
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢であり、その他の菌が劣勢である状態です。
善玉菌は乳酸や酢酸を作り、腸内を酸性にすることによって、
悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、
食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性を持つ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境をつくります。
また、善玉菌は腸内でビタミン(B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、葉酸)を作ります。
さらに善玉菌の身体を構成する物質には、身体の免疫機能を高め、
血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。
腸内の善玉菌の割合を増やすには
腸内の善玉菌の割合を増やす方法は、大きくわけて
①健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する
②腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する
の2つあります。
①プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとは、
「口から摂取し、腸内環境を改善することにより、有益な作用をもたらす生きた微生物」
のことです。
ビフィズス菌や乳酸菌があります。
ビフィズス菌や乳酸菌は、
ヨーグルト、乳酸菌飲料、ぬか漬け、納豆、栄養補助食品などに含まれています。
ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。
そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。
善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないといわれていますが、
死んでしまっても善玉菌のからだを作る成分に有効な生理機能が期待できます。
②プレバイオティクスとは
プレバイオティクスとは、
「プロバイオティクスの栄養源となり、その働きを付ける物質」
のことです。
つまり、良い働きをする微生物のエサとなる、ヒトの身体では消化されない食品成分のことです。
これらは消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌に「エサ」として利用されます。
それによって善玉菌が育ちます。
食物繊維(特に水溶性食物繊維)、難消化性オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖など)が挙げられます。
水溶性食物繊維は、野菜や豆類、ひじきやわかめなどの海藻、こんにゃく、大麦、りんごなど果物に多く含まれています。
オリゴ糖は、大豆、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなど食品にも含まれています。
特定保健用食品などで市販されているオリゴ糖の有効摂取量は1日あたり2~10gです。
しかし、オリゴ糖を急に摂取すると下痢を起こしたりおなかが張ったりすることがあります。
このような場合には、1回の量を2~3回に分けて摂取する、あたは1日あたりの摂取量を減らして数日間かけて推奨される摂取量まで増やす方法があります。
これらを積極的に摂ることで、腸内細菌のバランスを良好に保つ効果が期待されています。
腸内細菌が健康的な状態であるかを知る一番簡単な方法は、便を観察することです。
善玉菌がたくさん酸を作っていると、色は黄色から黄色がかった褐色で、
においがあっても臭くありません。
形状はやわらかいバナナ状が理想です。
逆に黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。
「プレバイオティクス」と「プロバイオテクス」を組み合わせたものを、「シンバイオティクス」といいます。
「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」の相乗効果、
「シンバイオティクス」であなたも腸内環境を整えてみませんか。
2024年1月14日|カテゴリー「生活習慣」
今回は、骨の栄養についてお話したいと思います。
骨は常に壊されて作られる
骨は、一度完成したらそれで終わりではなく、
常に壊されたり作られたりと、約3か月サイクルで代謝を繰り返しています。
カルシウムは骨の重要な構成成分です。
カルシウムが骨に取り込まれることによって骨が作られます。
骨は、カルシウム以外にリン、タンパク質などからできています。
骨は、骨芽細胞(こつがさいぼう)によって、カルシウムを取り込み新しい骨を作る【骨形成】が行われると同時に、
破骨細胞(はこつさいぼう)によって古くなった骨を壊されカルシウムが骨から溶け出す【骨吸収】を繰り返しています。
通常はこの骨形成と骨吸収が常に繰り返され、骨が新しく置きかわることによって骨の強さが保たれています。
また、カルシウムは血液中にもあり、血液中のカルシウムの濃度は一定の範囲内に維持されています。
筋肉の収縮や神経の情報のコントロールなど、生命の維持に必要な多くの生理作用に関わっています。
食べ物から十分な量のカルシウムを摂らないと、骨の中のカルシウムを溶かして血液中のカルシウムの濃度を維持させ、生命の維持に必要な生理作用を優先させます。
骨はカルシウムの貯蔵庫ともいえます。
カルシウムの摂取量が不足した状態が続くと、貯金を切り崩すように骨のカルシウム量が減っていきます。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の代謝のバランスが崩れてしまった状態になり、骨の強さが下がります。
骨粗鬆症になると骨折しやすくなり、特に高齢者の方の場合、
腰椎や大腿骨の骨折によって腰痛や寝たきりの原因となります。
先にも書きましたが、
慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、カルシウムが骨から取り出される量が多くなることにより、骨量が減少し、骨粗鬆症になる可能性が高くなります。
骨の健康のためには、十分なカルシウムを摂取することが大切です。
骨粗鬆症は、カルシウム摂取が不足するだけが原因ではなく、さまざまな要因が関係しています。
加齢や人種、家族歴、過去の骨折なども一つの要因です。
また、女性ホルモンは、カルシウムの吸収を助ける働きをするので、
閉経後、女性ホルモンの分泌が低下するとカルシウムの吸収が下がりカルシウムが不足しやすくなります。
卵巣摘出・糖尿病・ステロイド薬・慢性肝障害など他の病気や薬が原因で起きる骨粗鬆症の場合は、年齢や性別に関係なく起こります。
骨量は、骨格の成長とともに20歳くらいまで増加し、成人期にピークを迎え、40歳頃から次第に減少していきます。
カルシウムを十分に摂れば、血液中に溶けだすカルシウム量を抑えられます。
成長期からしっかり摂ることが一番良いですが、高齢期を迎えてからでも遅くありません。
骨をじょうぶにする栄養素
カルシウムは、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、
成人1日あたり男性では700~800mg、女性では600~650mgを推奨量としています。
しかし、日本人は不足しやすい栄養素なので、意識してとることが大切です。
また、カルシウムの過剰摂取により、高カルシウム血症など健康被害がみられることから、
耐用上限量は18歳以上男女ともに1日2500mgまでと設定されています。
日本人の通常の食品からの摂取で耐用上限量を超えることは非常に少ないと考えられますが、サプリメントなどを利用する場合は注意が必要です。
乳製品や小魚など骨ごと食べる魚、野菜や大豆製品に多く含まれています。
普通牛乳コップ1杯(200mL)
カルシウム231mg
脂質7.4g
タンパク質6.3g
低脂肪乳コップ1杯(200mL)
カルシウム273mg
脂質2.1g
タンパク質7.1g
スライスチーズ1枚(18g)
カルシウム113mg
脂質4.4g
タンパク質3.9g
塩分0.5g
6Pチーズ1個(18g)
カルシウム113mg
脂質4.4g
タンパク質3.9g
塩分0.5g
ヨーグルト(脱脂加糖)1個(75g)
カルシウム90mg
脂質0.2g
タンパク質3.0g
プレーンヨーグルト(全脂無糖)1食分80g
カルシウム96mg
脂質2.2g
タンパク質2.6g
釜あげしらす25g(小分け1パック)
カルシウム48mg
さくらえび5g(大さじ1)
カルシウム100mg
さば水煮缶(50g)
カルシウム130mg
カルシウムの吸収率は食品によって大きな差があります。
牛乳・乳製品は約40%、小魚は約30%、野菜は約20%です。
牛乳中のカルシウムは、吸収率が高いうえ、1回の摂取量が多くカルシウム源として利用しやすいです。
LDLコレステロール値が気になる方は、低脂肪乳を利用すると、脂質摂取量を抑えることができます。
小松菜 ゆで60g(調理前68g)
カルシウム90mg
ビタミンK192μg
春菊 ゆで60g(調理前76g)
カルシウム72mg
ビタミンK276μg
チンゲンサイ ゆで60g(調理前85g)
カルシウム72mg
ビタミンK72μg
水菜 ゆで60g(調理前68g)
カルシウム120mg
ビタミンK72μg
ひじき ゆで60g(乾燥6g)
カルシウム58mg
切り干し大根(乾燥)10g
カルシウム50mg
納豆1パック40g
カルシウム36mg
ビタミンK240μg
たんぱく質5.8g
木綿豆腐1/3丁100g
カルシウム93mg
たんぱく質6.7g
絹ごし豆腐1/3丁100g
カルシウム75mg
たんぱく質5.3g
がんもどき1個100g
カルシウム270mg
たんぱく質15.2g
厚揚げ1/2枚100g
カルシウム240mg
たんぱく質10.7g
大豆水煮30g
カルシウム30mg
たんぱく質3.8g
高野豆腐
カルシウムの合成や吸収に関わるのは、ビタミンやミネラル、タンパク質です。
その中でも、特にビタミンKとビタミンDが必要です。
ビタミンKは、骨のたんぱく質の活性化に関わる補酵素として働きます。
納豆や緑の濃い野菜、海藻に多く含まれています。
小松菜や春菊は、カルシウムとビタミンKと両方多く含まれている優秀食材ですね。
ビタミンDは、鮭や青背の魚、うなぎなど魚類や卵黄、干ししいたけやきくらげなどきのこ類に多く含まれます。
また、ビタミンDは日光浴によっても体内で合成されます。
日焼けが気になる方は、手のひらを日光浴させるのも一つの方法です。
骨の健康のためには上記のカルシウムやビタミンK、ビタミンDの摂取が重要ですが、
エネルギーと栄養素を過不足なく摂ることも大切です。
バランスのとれた食事は、
主食(ご飯、パン、麺など)
主菜(肉、魚、卵、大豆料理など)
副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理など)
の揃った食事です。
このように書くと「品数を増やさなきゃいけないのかな、大変…」と食事の用意がプレッシャーに感じる方もおられるかもしれませんが、心配はご無用です。
主食、主菜、副菜に使われる食材を使っている料理であれば、品数は少なくても何も問題はありません。
毎日の食事で食品の偏りを減らし、さまざまな食品を食べると、それぞれの食品に含まれるさまざまな栄養素を摂取することができます。
また、適度な運動も大切です。
骨に刺激を与えることがポイントです。
ウォーキングや階段の上り下り、かかと落とし運動やジャンプも有効です。
骨粗鬆症の方は栄養だけでなくきちんと治療を
ここまで骨に関わる栄養についてお話しましたが、
すでに骨粗鬆症になっている場合は、食事だけではなくきちんと治療して骨折を予防することがとても重要です。
当院では骨粗鬆症の治療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
骨活のすすめ(外部リンク)の紹介
特に女性に向けた内容にはなっていますが、
厚生労働省より「骨活のすすめ」のサイトを2023年10月に開設されています。
年代別に知っておきたい知識や予防対策が紹介されています。
今回こちらの記事ではあまり触れることのできなかった運動についても書かれています。
10代編から60代以上編までありますので、どの年齢の方も一度チェックしてみてくださいね。
2024年1月14日|カテゴリー「生活習慣」
前回は、噛みにくい場合に噛みやすくする工夫について、お話しました。
食べにくい主な原因、
・噛みにくい
・飲み込みにくい
のうち、今回は飲み込みにくい場合にできるくふうについてお話したいと思います。
前回の「噛みやすくするくふう」と同じくふうもありますが、噛みやすく飲み込みやすくくふうすることで、少しでも自分の口から食べるものの種類を増やし、食事の満足度も上げていきたいですね。
汁物や飲み物はとろみをつける
汁物や飲み物など、水のようなサラサラした液体は、飲み込むタイミングが取りにくいため誤嚥しやすくなります。
汁物は、水溶き片栗粉などでとろみをつけたり、お茶やジュースなどの飲み物はゼラチンでやわらかめに固めたりすると誤嚥しにくくなります。
また、煮物などの煮汁や炒め物などにとろみをつけると具材と汁気が絡まるので、飲み込みやすくなります。
煮汁や水分に浸したり、あんにからめたりしながら食べる
肉や魚、野菜や芋などの煮ものは、煮汁と絡ませてしいっとりさせてから食べましょう。
そのために煮汁が多めに残るように仕上げるとよいでしょう。
特に、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなどホクホクした食品は水分が少なく食塊をつくりにくい食品です。
煮汁を多くするほか、つぶしてなめらかにすると食べやすくなります。
ポタージュスープにするのも良いですね。
ひき肉や冷ご飯・チャーハンなどパサパサ、パラパラしたものは、口の中でだ液とまとまらずに喉に入ってしまうことがあります。
あんかけにしてまとめると食べやすくなります。
パンやカステラなども飲み物などに浸してしっとりさせると飲み込みやすくなります。
やわらかく煮る
肉などは煮る場合、箸で切れるほどやわらかくなるまで煮ます。
しかし、ステーキなど焼く場合は焼き過ぎるとかたくなります。
魚は煮すぎるとかたくなるので、さっと煮る程度にしましょう。
野菜や芋なども食べやすいやわらかさになるまで煮ると良いですね。
とろみのついたあえ衣、おろし大根やおろした山芋などであえる
お浸しより、とろみのついたあえ衣であえる白あえや練りごまあえのほうが食べやすくなります。
また、おろし大根や山芋とあえると、まとまるので飲み込みやすくなります。
なめこはツルリとしており、誤嚥しやすい食品です。
おろし大根とあえると良いでしょう。
誤嚥しない大きさに切る
食べ物を小さく切ると飲み込みやすくなります。
しかし、小さく刻みすぎると飲み込む意識を持つ前に食べ物が喉の奥に送り込まれてしまうため、
かえって誤嚥しやすくなります。
誤嚥せずゴックンと飲み込む意識が持てる大きさは、奥歯の上に乗る5~8mm角程度です。
めん類は、すすり上げながら食べると誤嚥しやすいので、それを防ぐためには3~5cm長さに切るとよいでしょう。
冷ましてから食べる
熱い焼き芋や熱い食べ物などは、ハフハフしながら食べるのでむせやすくなってしまいます。
少し冷ましてから食べてくださいね。
汁と具は別々に食べる
みそ汁は意外と誤嚥を起こしやすい食べ物です。
汁の中に異なる食感の具が入っていると、汁と具の飲み込むタイミングがちがうため、
誤嚥しやすくなります。
汁と具を別々に食べるようにすると誤嚥のリスクが下がります。
病院で原因を明らかにする
飲み込みにくい症状がある場合は、耳鼻咽喉科もしくは嚥下リハビリを専門としている歯科などを受診して
原因を明らかにするのも大切なことです。
まずは、かかりつけ医に相談するもの一つの方法ですね。
4回にわたり、嚥下(えんげ)についてお話しました。
ご自身やご家族にはまだ関係ないお話だった方も多いかもしれません。
しかし、人は少しずつ年齢を重ねていきます。
食べることは、生きていくうえで栄養を摂るだけでなく楽しみでもあります。
それは年齢を重ねた方でも同じです。
いざ、ご自身やご家族が飲み込みに不安を持つようになった時、今回のお話が少しでも役に立てたら嬉しいです。
2023年10月22日|カテゴリー「生活習慣」
前々回に、嚥下(飲み込み)の仕組みについてお話しました。
食べにくい原因として、主に
・噛みにくい
・飲み込みにくい
が挙げられると思います。
噛みにくい場合、前回の摂食嚥下の5段階の②準備期に問題があると考えられます。
今回は、噛みにくい場合に噛みやすくする工夫について、お話したいと思います。
やわらかい食材を選ぶ
・肉類
肉は適度に脂身のある部位を選びましょう。
加熱してもかたくなりにくく、噛み切りやすいです。
【食べやすい肉類】
牛サーロイン、牛ヒレ肉、豚ロース肉、豚もも肉、鶏むね肉、鶏ささ身、
これらの部位を二度びきしたひき肉
・魚介類
魚は加熱しても身のしまらない種類を選ぶとやわらかいです。
【食べやすい魚介類】
ウナギ(皮を除く)、イワシ、アナゴ、サンマ、カレイ、タイ、タラ、カニ、タチウオ、
カキ(ひだと貝柱を除く)、アユ、キス、キンメダイ、サヨリ、シタビラメ、スズキ、
ニジマス、イワナ、ハマチ、ブリ、ムツ、メカジキ、メバル など
【生でもやわらかく、刺身で食べやすいもの】
マグロ、カツオ(筋のないもの)、ハマチ、ブリ、ホタテ貝柱、ウニ、イクラ、甘エビ
【食べにくい魚介類】
エビ、イカ、タコ、カジキ、アジ、サバ、サザエ、ハマグリ、アサリ、カマス、サワラ、カツオ
【生では噛み切りにくく、刺身で食べにくいもの】
イカ、タコ、タイ、サーモン、カレイ、ヒラメ、フグ、生貝類、白身魚
・きのこ類
きのこ類で比較的食べやすいのは、まいたけ、マッシュルーム、しめじ(食べにくい場合は笠の部分のみ)です。
まつたけやしいたけ、エリンギなどが食べにくい場合は、みじん切りにすると食べやすいです。
・海藻類
海藻類は、ひじきは長ひじきより芽ひじきが食べやすいです。しかし、長ひじきも刻むと食べやすくなります。
わかめは十分に水でもどしてやわらかくすれば食べやすくなります。
やわらかくなるまで加熱する
肉、野菜、芋、ごはん、麺などは、口蓋(上あご)と舌で押しつぶせるくらいやわらかく煮ると、食べやすくなります。
切り目を入れたり、食べやすく切ったりする
肉は調理をする前に筋を切っておきましょう。
トンカツをする時には、厚い肉を使うのではなく、薄切り肉を重ねて一枚肉のように整形すると食べやすいです。
また、すき焼きなどペラッとした薄切りの肉は噛み切りにくい時があります。
その場合は、肉をくるくる丸めるか、ひだを寄せて厚みを作ると食べやすくなります。
イカやタコを食べる場合は、繊維と直角に隠し包丁(切り目)を入れます。
野菜などは繊維を断ち切るようにきったり、切り目を入れたり、噛み切りにくい部分(皮など)を取り除いたりします。
ごぼうは叩いて繊維を壊します。
アスパラガスは穂先だけを使います。
トマトは湯むきして皮をむきます。
豆類は薄皮をむくと食べやすくなります。
こんにゃくやたくあんなどの漬物のように噛みだしにくい食材は、噛みだすきっかけが取れるように隠し包丁(細かく切り目)を入れると良いでしょう。
食べものの噛みやすい厚さは5~8mm程度です。
野菜などは、この厚さを目安に切ると食べやすいです。
キャベツや野沢菜漬けのような薄っぺらい葉物は噛み切りにくいので、端から巻いて厚みを持たせます。
やわらかくゆでた麺は、3~5cmの長さに切っておくとさらに食べやすくなります。
パサパサするものはしっとりさせる
パンやクッキーなどパサパサしてだ液を吸い取られるものは、噛んで飲み込むのに苦労します。
牛乳や飲み物に浸してしっとりさせて食べると食べやすいです。
義歯の調整や食べる姿勢も大事
義歯をつけている方は、定期的に歯科で検診を受けて義歯の調整をしてくださいね。
自分の口によく合った義歯で、少し噛みごたえのある料理を楽しんで食べるようにしてくださいね。
また、背筋を伸ばした姿勢で食べると、機能的に食べやすくなる時もあります。
噛みにくいものでも好物の料理であれば噛めることが多いので、
食べる方の好みを聞いたり、食べる様子を見たりしながら、料理のかたさや食べやすい工夫をしてくださいね。
2023年10月22日|カテゴリー「生活習慣」
血圧が高めで先生から「減塩するように」と言われ、
減塩に取り組んでおられる方はたくさんおられることと思います
減塩の取り組みのひとつとして「減塩しお」を使っておられる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、「ふつうの塩」と「減塩しお」の違いについてお話したいと思います。
食塩とは
食塩とは、ナトリウムイオンと塩素イオンが結合した
「塩化ナトリウム(NaCl)」のことをいいます。
学生時代に、理科の時間に習った記憶がある方もおられるかと思います。
ナトリウムは、身体の中で大切な役割を持っています。
ナトリウムとは?
ナトリウムはミネラルの一種で、身体の細胞内外のミネラルバランスを保つために不可欠で、
血圧と関連が深いことからも注目されています。
ナトリウムは、体内には体重の0.1~0.2%で、多くは細胞外の体液(細胞外液)に含まれています。
細胞外液量や循環血液量を維持して、血圧を調節します。
ナトリウムを過剰に摂取することで、これらの液量が増えるため、
血圧が上がったり身体がむくんだり(浮腫:ふしゅ)します。
また、胆汁、膵液、懲役などの材料となります。
大部分は小腸で吸収され、空腸では糖類の存在によって吸収が促進されます。
経口補水液に糖類とナトリウムが含まれているのはこのためです。
腎臓の糸球体でろ過されたあと、尿細管と集合管で再吸収されて、糸球体ろ過量の約1%が尿中に排泄されます。
再吸収によってナトリウムのバランスをとっているので、摂取量が増加すれば尿中排泄量も増加します。
通常の食塩は「塩化ナトリウム」ですが、
市販される多くの「減塩しお」は、塩化ナトリウムの量を減らして、塩化ナトリウムと同じような塩味を感じる「塩化カリウム」を使用しています。
減塩に、焼き魚にレモン汁をかけることがありますが、
レモンの酸味を加えることで塩味を補うものや、
苦味やえぐみがある塩化カリウムにポリグルタミン酸(アミノ酸のひとつで、納豆のネバネバの成分)を加えてまろやかな味わいを表現しているものなど、
さまざまな種類があります。
腎機能が低下している場合は塩化カリウムに注意!
ナトリウムの摂取量を減らすことのできる減塩しおですが、注意しないといけないこともあります。
腎臓の機能が下がってくると、血液中のカリウムの値が上がってきます。
通常、カリウムを多く摂っても、腎臓がうまく排出して身体の中のカリウムの量を一定に保っています。
しかし、腎臓の機能が下がってくると、腎臓がカリウムをうまく排出できなくなり、身体の中にカリウムがたまってしまいます。
そうすると、血液中のカリウムの値が高くなる、高カリウム血症となってしまいます。
高カリウム血症になると不整脈を起こし、最悪の場合は心停止につながります。
塩化カリウムを使用した減塩しおは便利なものですが、腎臓の機能が下がっている方は使用量を減らしたほうがよい場合があります。
主治医や管理栄養士にご相談くださいね。
2023年9月8日|カテゴリー「生活習慣」
最近、食用油で「コレステロール0(ゼロ)」と書かれたものが売っていますね。
コレステロール0(ゼロ)と書かれたものを選んだほうが良いのでしょうか?
コレステロール0(ゼロ)と書かれてないものは選ばないほうが良いのでしょうか?
答えは「NO」です。
なぜかというと、もともとサラダ油、ごま油、なたね油、オリーブオイルなど、
植物性の油にはそもそもコレステロールはほぼ含まれていないからです。
また、含まれていたとしてもごくわずかです。
そのため、「コレステロール0(ゼロ)」と表記されているものを必ずしも選ぶ必要は
ありません。
もちろん、選んでいただいても問題はありません。
一方で、牛脂やラード、バターなど動物性の脂はコレステロールを多く含みます。
調理で使う油は植物性のものを選んでくださいね。
では、植物性の油はコレステロールが0(ゼロ)なので気にせずたくさん摂っても大丈夫なのでしょうか?
答えは「NO」です。
油は1gでエネルギー量が9kcalあるので、使いすぎるとエネルギー摂取量が過剰となってしまいます。
大さじ1杯(15mL/約12g)で約110kcalです。
使う時は、目分量でドバっと入れるより計量したほうが使いすぎを防ぐことができますよ。
◎種類別のコレステロール含有量(mg/100gあたり)
| 植物性 | あまに油 | 2 |
|---|---|---|
| えごま油 | 0 | |
| オリーブ油 | 0 | |
| なたね油 | 2 | |
| 米ぬか油 | 0 | |
| 動物性 | 牛脂 | 100 |
| ラード | 100 | |
| 有塩バター | 210 | |
| 食塩不使用バター | 220 |
※参考:「日本食品表示成分表2020年版(八訂)」
2023年8月11日|カテゴリー「生活習慣」
前回は、嚥下の仕組みについてお話しました。
前回お話したように、食べ物は食道を通って胃の中に入っていきます。
ところが、誤って気管内に入ってしまうことがあります。
誤って気管内に入ってしまうことを、誤嚥(ごえん)といいます。
通常は気管内に異物が入ると、人体の防御反応が働き、異物を外へ出そうとして
咳などを反射を起こします。
ところが、加齢や脳卒中などで意識障害や麻痺、機能低下などがある場合は反射が鈍くなり、誤嚥しやすくなります。
今回は、誤嚥を招きやすい食品の特徴6つを紹介します。
【バラ】 口の中でバラバラになる食べ物
細かく刻むと口の中でバラバラになりやすく、咽頭にぼろぼろ落ちて誤嚥を引き起こしやすいです。
【サラ】 サラサラした食べ物
水やお茶、ジュース、汁物などの液体
液体は実は、サラサラしているため速いスピードで咽頭を滑り落ちていき誤嚥しやすい食品です。
とろみをつけましょう。
【パサ】 パサパサした食べ物
パン、カステラなどスポンジ状のもの
水分が少なく口の中でバラバラになって食塊を作りにくいうえ、
だ液と混ざるとべたついて口の中に残りやすいです。
咽頭に詰まる危険もあります。
【切る】 不揃いに切ったもの
1つひとつの大きさが不揃い、または硬さが違う食材が混ざっている
食材を細かく刻む時に、大きさやかたさが不揃いだと、
噛むのが難しく食塊を作りにくくなります。
同じ大きさ、かたさに揃えましょう。
【ペタ】 ペタペタ張りつくもの
薄切りにしたきゅうり、わかめ、海苔、最中の皮、ウエハース、餅など
薄切りきゅりは薄いがゆえに咽頭に張り付くやすく、飲み込みにくいです。
きな粉など粉ものも張り付きやすい食品です。
【じゅわー】 噛むと中から汁(液体)が出てくるもの
煮物のがんもどき、高野豆腐、果物など
噛むと液体が出る食品は、水分と固形物が同時に口の中に広がり「飲み込む」と「噛む」を同時に行わなければならない高難易度食品です。
これらの誤嚥しやすい食品、
バラ・サラ・パサ、切る・ペタ・じゅわー
はどうぞご注意くださいね。
次回からは、噛みやすくするくふう、飲み込みやすくするくふうについてお話しますね。













