呼吸器内科

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東祐一郎 先生(常勤)
日本内科学会 総合内科専門医
日本呼吸器学会 呼吸器内科専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医

略歴
和歌山市出身
大阪大学 医学部医学科 卒業
一貫して呼吸器内科および総合内科の臨床に従事してきました。

長引く咳、動作時の息切れ、睡眠時無呼吸症候群など
「他院で治療を受けているのに良くならない」
「ただの風邪と思っていた」
そういった方は、ぜひご相談ください!! 適切な治療をご案内します。

訪問診療も積極的に行います。
これまでの治療経験の約2割はがん患者さんです。
患者様に寄り添った治療を行うよう、心掛けています。 

本ページでは、下記について説明しています。
・肺がん
・気管支喘息
・慢性閉塞性肺疾患(COPD
・感冒(ウィルスによる咳・咽頭炎)
・非定型抗酸菌症

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【スパイロメーター(肺機能検査)】呼吸の機能を調べる検査です。肺活量や1秒量などがわかり、気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患・間質性肺炎などの病気の診断の手助けとなり、病状の進行具合も測定することが出来ます。
レントゲン:胸部・腹部・副鼻腔・肋骨・腰椎などの撮影
【レントゲン検査】肺炎や結核などの感染症、肺癌、心不全などの病気を調べる検査です。肺の状態を把握する事が出来ます
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【CT検査】与田病院では64列マルチスライスCT検査を即日可能です。

肺がん

肺がんの患者さんは近年増加しており、1年間にかかる人の数はがんの中で2番目に多く、亡くなる人の数は最多です。
タバコを吸う人の病気というイメージがありますが、肺がんの中で最も多いタイプの肺腺がんはタバコとはあまり関係がなく、むしろタバコを吸わない女性に多いタイプのものもあります。
早期には自覚症状がないことが多く、検診で発見されることも多い病気です。

肺がんの治療としては手術、放射線治療、薬物療法(抗がん剤、免疫療法)などがあります。がんの進行具合によって治療方針が決定します。手術+免疫療法、放射線+抗がん剤+免疫療法など、治療を組み合わせて行うことも多くなっています。

肺がんの症状には咳・痰・血痰・痛み・呼吸苦などがあり、それぞれの患者さんによって出る症状は違い、その程度も様々です。
また肺がんが脳や脊髄に転移してしまうと、ふらつきや意識障害などの症状が起こることもあります。人によっては痛みや呼吸苦といった症状が強く、日常生活もままならないほどになってしまう方もいますが、適切な薬を使うことで、その苦しみを和らげることができます。

みなさんモルヒネと聞くとどのようなイメージがわくでしょうか。モルヒネを使うということはもう末期で手の施しようがないってこと?モルヒネを使ったら眠ってしまってもう起きることはない?
いえいえ、そんなことはありません。モルヒネは末期の方にだけ使う薬というイメージを持たれている方も多いですが、それは間違いです。痛み・咳・呼吸苦といった症状で困る方にはモルヒネまたはその仲間の薬を積極的に使うことで、その症状をできるだけ和らげ、生活の質(QOL)をあげることができます。
また、モルヒネは吐き気が強いという印象をお持ちの方も多いと思いますが、昔と比べて今は吐き気止めが発達しており、多くの方は吐き気を感じることなく治療を続けることができます。

また、ステロイドという種類の薬を使うこともあります。ステロイドは副作用が多いから使いたくないと思われる方も多いですが、症状によってはステロイドが非常によく効くこともあります。

このように症状を和らげるための治療を、緩和医療と言います。
当院ではがん患者さんの中で大きい病院への頻回の通院が困難な方、できるだけ入院せずに自宅で過ごしたい方に緩和医療を行うことで、その生活をよりよいものにするお手伝いをさせていただきたいと思っています。
外来治療だけでなく訪問診療も行っており、ご自宅まで伺って病状にあった治療を行うことができますので、ぜひ一度ご相談ください。

気管支喘息

気管支喘息は気管支が細くなることで息を吐きにくくなり、息が苦しくなるアレルギー性の病気です。
一般的に喘息というと、気管支喘息のことです。気管支喘息はゼーゼー・ヒューヒューといった音が特徴で、そういった音を喘鳴(ぜんめい)と言います。よく「ぜいめい」と言い間違える方がいますが、喘息のぜんで「ぜんめい」です。


子どもの頃になる人が多いですが、大人になってから発症する方も少なくありません。私も小児喘息があり、よく発作が起こりしんどい思いをしました。当時は発作が起こってから発作を止める薬を飲む治療しかなく、発作を予防することはできませんでした。そのため、いつ発作が起こるかわからず、つらい思いをしました。
現在は発作を予防する薬がたくさん開発されており、当時ほどしんどい思いをする人は少なくなっています。気管支喘息は発作を繰り返すことで徐々に気管支が狭くなってしまいます。これをリモデリングと言います。狭くなってしまった気管支は元に戻らず、年を取ってからしんどい思いをすることになります。
ですので、気管支喘息ではいかに発作を予防するかが非常に重要になってきます。

検査としては呼吸機能を測定するスパイロメトリーという検査があります。また吐いた息に含まれる一酸化窒素の量を測定する検査もあります。
症状が強い時にはそういった検査は行わずに症状から気管支喘息と診断することもあります。
血液検査でアレルギーを調べることで、気管支喘息の原因を調べることも可能です。

治療としては吸入薬が基本です。炎症を抑えるステロイドという種類の薬が一番大切です。気管支を広げる薬を併用することも多く、その2種類の薬が合わさった吸入薬がよく効きます。
発作が終わった後も毎日定期的に吸入を続けることで、次の発作を抑えます。途中でやめてしまうと、先に書いたリモデリングが起こるリスクが高くなるため、しばらく吸入を続ける必要があります。
吸入薬で症状が安定しない方には飲み薬を追加し、重症の場合には皮下注射の薬を使うこともあります。

気管支喘息と似た名前の咳喘息というものもあります。
こちらは1ヶ月以上続く咳が特徴ですが、喘鳴はなく呼吸機能検査でも異常はありません。
治療は気管支喘息と同じ吸入薬がよく効きます。
放っておくと気管支喘息になってしまうため、きちんと治療する必要があります。

気管支喘息は以前と比べ治療が進歩し、きちんと治療をすることで多くの方の症状を抑えることができるようになっています。症状のある方はぜひご相談ください。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気をご存じでしょうか。いわゆるタバコ肺、肺気腫です。
タバコによって肺が壊れて息が吐きにくくなる病気です。
一度壊れてしまった肺はタバコをやめても元に戻ることはありませんので、なるべく早くタバコをやめることが大切です。

症状として特徴的なのは動いた時の息切れです。上り階段や上り坂での息切れが強くなります。悪くなってくると平地でも息切れがし、もっと悪くなると安静時でも息がしんどくなります。
タバコをやめてしばらく経っているのに息切れが強くなってきたという声もよく聞きます。加齢とともに呼吸に使う筋力が低下することで、COPDの方ではより息がしんどくなってしまいます。

検査としてはスパイロメトリーという呼吸機能の検査を行います。
閉塞性障害という肺がしぼみにくくなる数値が出ます。
胸部レントゲンやCTでは正常の肺より黒くなり、ひどい場合は肺が大きくなっていきます。

治療は吸入薬です。気管支を広げる薬を吸入することで症状を和らげます。一度壊れた肺は元には戻りませんので、基本的には一生続けることになります。
1種類の薬で不十分な方には、2種類・3種類の薬を併用することも多いです。
酸素の値が低い方は在宅酸素療法(HOT:ホット)が必要になります。
また、しんどいからといってあまり動かないというのはいけません。先に書いたように、筋力が低下することで呼吸のしんどさは強くなります。適度に運動をすることで筋力低下を予防し、呼吸機能を保つことが大切です。

タバコを吸っている、または以前吸っていて息がしんどい方はCOPDの可能性が高いと思いますので、一度ご相談ください。
当院では禁煙外来も行っていますので、禁煙をしたい方もぜひお越しください

感冒

風邪はウイルスの感染で起こり、熱や鼻水、のどの痛み、咳などの症状が出ます。
近年新型コロナウイルスによるCOVID-19やインフルエンザがよく流行っていますが、
その他のウイルスによる感染で症状が出たものを風邪と呼びます。

風邪に対しては抗生剤(抗菌薬)は全く効きません。
よく「あそこの病院は風邪の時にすぐ抗生剤を出してくれるからいいわ。」「もらった薬のおかげで治った。」といった声を聞きますが、これは大きな間違いです。
基本的に風邪は人の免疫で治ります。自分の力で治っているものをその時に飲んでいた薬のおかげと勘違いしている方が非常に多いのが現状です。抗生剤はあくまでばい菌を殺す薬であり、ウイルスには何も効果もありません。
ばい菌による感染でのどが痛くなることもありますが、その時には咳は出ません。また抗生剤では下痢などの副作用を起こすこともあります。

さらに日本では抗生剤の出しすぎによる耐性菌の問題が長い間言われており、抗生剤の効かない耐性菌が増えることで本当に必要な時に治療ができない可能性が出てきます。
あまりむやみに抗生剤を出してもらって飲むことを繰り返していると、後々困ったことになるかもしれません。
風邪症状ですぐに抗生剤を出してくれる先生はいい先生ではないのです。

風邪に特効薬はありませんが、症状を和らげる薬を処方することはできます。
風邪症状でお困りの方はぜひご相談ください。

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症はあまりご存じない方も多いと思いますが、近年増加傾向の病気です。
抗酸菌という種類のばい菌には数百種類のものがありますが、結核菌以外のものによる病気をまとめて非結核性抗酸菌症と言います。その中でも代表的やM.aviumM.intracellulare2種類の菌によるものだけを肺MAC(マック)症と言うこともあります。
水の中や土の中などにいる抗酸菌を知らない間に吸い込み、それが肺の中に定着し、肺を壊してしまいます。農作業や家庭菜園をする方は土の中の抗酸菌を吸い込みやすく、特に中高年の女性に多い病気です。
結核菌との大きな違いとしては人から人へ感染することはありません。

症状は咳、痰、血痰などです。ひどくなってくると息苦しさが出てきます。
痰の中から抗酸菌が2回見つかることで診断がつきます。
痰の中から菌が出ない場合に気管支鏡というカメラの検査を行うこともあり、必要な場合は近隣の病院に紹介させていただくことになります。

治療は3種類の薬を2年間ほど飲むことになりますが、治るかどうかはしてみないと分かりません。
薬が効いてよくなる人もいれば、薬が効かない人や薬が効いていても治療を終えた後すぐに悪くなってしまう人もいます。
治療薬による副作用として肝機能障害や食欲不振、皮疹などが出てしまうこともあります。進行はゆっくりなことが多いため、高齢の方の場合には病気の程度や進行具合、体力を考え、治療を行わないこともあります。

長引く咳や血痰といった症状のある方は一度当院にご相談いただければと思います。

予約方法

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【与田病院附属ふじと台クリニック】

電話: 073-499-8801

診療科目: 内科・糖尿病内科・内分泌内科・呼吸器内科・消化器内科

小児科・予防接種

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