糖尿病内科
生活習慣病・睡眠時無呼吸症候群
糖尿病について
これまで“血糖値が高い”“尿に糖が出ている”などの指摘を受けた方はもちろんのこと、何も異常を指摘されてこなかった方も、年に一度は検診を受け、ご自分でチェックをする事が大切です。
当院では糖尿病合併症が発症する前の状態から、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害が進行した状態、高血圧、脂質異常症、肥満症、睡眠時無呼吸症候群など合併疾患を含む治療まで、長期的な管理を行っています。
糖尿病や高血圧・脂質異常症・慢性腎臓病の薬やインスリンは日々進歩しています。
糖尿病専門医のいる当院での診療をうけることをお勧めします。
個人栄養指導を含めた食事指導、運動についてのアドバイスも行っています。
当院では、5分程度でHbA1cおよび血糖値の測定が可能です。
医療保険での家庭での自己血糖測定について
①インスリン自己注射をしている患者さん
②インスリン注射治療を行っていなくても、一定の条件下で家庭での自己血糖測定が保険適応となります。自己血糖測定を希望の方はご相談下さい。

14日間持続自己血糖測定器「Free StyleリブレPro」

*「Free StyleリブレPro」の特徴
・手指の穿刺が不要
(毎回手指を穿刺器具で穿刺して、微量採血を行う必要がありません。)
・低血糖を把握
(24時間持続して血糖値を測定できるため、夜間や仕事中の低血糖を把握できます。)
・現在や過去の血糖値を確認
(センサーに測定器をかざすと、現在や過去の血糖値が表示されます)
free-styleリブレpro(アボット・ジャパン) を実際に装着してみました。
糖尿病の指標
HbA1c(糖化ヘモグロビン)
- 肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割をしているヘモグロビンに接合している糖の割合です。ヘモグロビンの体内での寿命が2~3か月なので、過去2~3か月の平均的な血糖値の指標となります。
- スコアの解釈
正常<5.6%、大血管障害の予防<6.0%、境界領域<6.5%、糖尿病3大合併症の予防<7.0%、寝たきり高齢者の血糖コントロール目標<8.0%
75gOGTT検査(75のブドウ糖を飲み、血糖値、インスリン値の変化を調べる検査)でわかる指標
★空腹時血糖
- 食事を口から食べていない時間帯でも、体内(肝臓)で糖が作られています。特に早朝は糖の産生が高まります。すい臓でのインスリン分泌能力が低下すると、体内で産生される糖に対応できず、血糖値が上昇します。
- スコアの解釈
正常<110mg/dL、糖尿病>126mg/dL
★食後2時間値
- 血管内の糖は筋肉や脂肪に取り込まれます。筋肉量の低下や内臓脂肪の蓄積やなどでインスリンが効きにくくなると、食後の血糖値が上昇します。
- スコアの解釈
正常<140mg/dL、糖尿病>200mg/dL
★インスリン抵抗指数(HOMA-R):
- 内臓脂肪が増えると、糖を下げるホルモンであるインスリンが効きが悪くなります。その程度の指標です。
- 計算方法 空腹時インスリン×空腹時血糖/405
- スコアの解釈
1.6以下:正常、2.5以上:インスリン抵抗性あり、 4.0以上:高度なインスリン抵抗性
★インスリン分泌指数(HOMA-β):
- 計算方法 空腹時インスリン値(μU/ml) × 360 ÷ (空腹時血糖値(mg/dL) – 63)
- スコアの解釈
HOMA-β 40%以下の場合にインスリン分泌能低下と判断。
★インスリン初期分泌指数
- 計算方法 (30分後インスリン値 – 空腹時インスリン値) ÷ (30分後血糖値 – 空腹時血糖値)
- スコアの解釈
境界型糖尿病や正常型でも、この値が0.4未満の場合、将来的に糖尿病を発症するリスクが高いとされています。日本人に多い、すい臓からのインスリン分泌能低下による糖尿病で低値を示します。
CGM(リブレ)による分かる血糖コントロール指針
★TIR(time in range)血糖値 70‐180 mg/dLを目標範囲内として、この範囲にある時間
★TBR(time below range)血糖値 <70mg/dLの時間
★TAR(time above range)血糖値 > 180mg/dKの時間
- スコアの解釈
平均的な血糖値の上昇に加えて、心血管機能に悪影響を及ぼす、低血糖や急な血糖上昇の頻度を推定する指標です。
TIR目標:TIR > 70% (HbA1c 7%に相当)
TBR目標:TBR < 4%
TAR目標:TAR < 25%
糖尿病は、なぜ体に悪いの?(糖尿病の病態)
高血糖になると活性酸素が発生し、酸化ストレスによる血管内皮の損傷が起こります。心臓や脳などの太い動脈では、損傷部位から血管壁内に脂質系タンパク質が入り込み、血管内にいるマクロファージ(白血球の一種)に貪食されます。その死骸が積もると粥腫といわれる動脈硬化が進行し、血管壁が分厚くなり、血管内腔が狭窄します。この結果、心血管障害(死因の1位)や脳血管障害(死因の2位)を発症します。また、血管壁の一部が分厚くなり山のように盛り上がると、血流が乱れて血栓が作られやすくなり、脳血管障害に至ります。
酸化ストレスにより眼や腎臓の細い血管も障害されます。
糖尿病腎症(3大合併症)
腎臓は血液をろ過して不要なものを尿中へ排泄する、非常に血管の豊富な臓器です。糖尿病では酸化ストレス産生に加え、コラーゲン代謝異常、ソルビトール蓄積により腎臓の血管が障害され、ろ過能力が低下します。不純物が蓄積すると強い掻痒や倦怠感が自覚されます。
ろ過膜の損傷により、分子量が大きく通常は漏れ出ないはずの蛋白が、血液から尿中へ排泄されてしまいます。血液中の蛋白質濃度が下がると、血管内に血液を保つことが出来なくなり、脂肪など間質組織へ移動し、むくみとして自覚されます。
腎臓は赤血球を産生するエリスロポイエチンやカルシウムの吸収をよくするビタミンDの活性化を行っています。腎臓が障害されると、貧血や骨粗鬆症となります。また、カリウム排泄障害による不整脈やリンの蓄積による動脈硬化進行が起こります。
透析導入の原因の1位が糖尿病(43%)です。
糖尿病神経障害(3大合併症)
糖尿病では酸化ストレス物質の蓄積により手や足先の抹消神経が障害されます。足裏が異常に熱く感じる、紙で触られているように感じるなどの自覚が出ます。神経は傷を感知し、治すための免疫細胞を血管などを通じて傷口へ運ぶ役割をしています。糖尿病で神経や血管が障害されると、傷口で感染が広がり、足の切断に至ることがあります。
糖尿病網膜症(3大合併症)
眼は意外かもしれませんが、眼底検査が行われるように、唯一体の外から血管を直接見ることができる場所が眼です。光を感知する網膜の血管が傷ついてしまうと失明に至ります。失明の原因は、緑内障(21%)に続き、糖尿病(15%)が2位となっています。
糖尿病ガイドラインでは、自覚症状がなくても年1回の網膜症検査が、推奨されています。
糖尿病と睡眠障害について
当院院長は、深い睡眠の指標である「デルタパワー」低下がインスリン抵抗性や血糖コントロールと関連し、動脈硬化を促進することを発表しました。
- 睡眠の時間や質は、メラトニン・成長ホルモン・コルチゾールといっ た、概日リズムを有する内分泌ホルモンにより調整されています。
- 生活習慣の乱れ(ストレス・喫煙・飲酒)や糖尿病(血糖コントロール悪化・内臓脂肪によるインスリン抵抗性の上昇)は、内分泌ホルモンの分泌異常を来し、睡眠障害の原因となります。
- 睡眠障害に伴う交感神経の活性は、夜間・早朝高血圧を伴い、動脈硬化を促進し、脳梗塞・心筋梗塞発症を増加させます。
- 当院では、これら最新の知見に基づき、生活習慣の改善、睡眠薬の選択を行っています。

不眠症や日中倦怠感でお困りの方は、ぜひ一度ご来院下さい。
糖尿病と早朝血圧上昇(モーニングサージ)について
内臓脂肪からのアドレナリン・ノルアドレナリン分泌(交感神経活性化ホルモン)や睡眠障害に伴うコルチゾール(ストレスホルモン)などの増加が背景にあると考えられます。
当院では、24時間自由行動下血圧を測定(30分毎に睡眠中を含めて血圧を測定)することで、糖尿病と通常の診療では見落としがちな高血圧(夜間高血圧・早朝高血圧・日中血圧変動の増大など)を一元的に治療致します。

血糖値の管理:当院での取り組みについて
糖尿病患者さんの血糖値は下記4領域を行き来します。
①正常領域⇔②境界領域⇔③糖尿病領域⇔④インスリン治療必須領域
糖尿病領域や境界領域の患者さん
正常領域を目指して、食事療法、運動療法、薬物治療を行います。
具体的には・・・
☆日々の食事内容を記録して頂き、一緒に相談しながら改善を図ります。
☆診察毎に、INBODY(体重、体脂肪量と筋肉量の測定)検査を行い(無料)、必要な摂取カロリーの減量や運動量の増加を相談します。
☆インスリン抵抗性の上昇(膵臓からインスリンは出ているが、血管内から筋肉や肝臓への糖の移行が障害されている)や膵臓からのインスリン分泌能低下など、高血糖を来している原因を把握して、薬物治療の内容を変更します。
インスリン治療必須領域の患者さん
☆自身の膵臓からのインスリン分泌能に応じて、インスリン投与量の減量やインスリン離脱を目指します。
☆自己血糖測定により血糖値の推移を把握して、インスリンの種類や投与量をオーダーメイドで変更してゆきます。
☆低血糖は、時には高血糖にもまして、心血管系に負担がかかり、長期的に脳心血管障害や死亡率を高めます。低血糖が起こりやすい時間帯や、食事の時間や内容を把握して、治療を行います。
糖尿病治療薬
GLP-1/GIP促進薬(マンジャロ)、GLP-1促進薬(オゼンピック・トルリシティなど)
GLP-1/GIP促進薬は糖尿病、過食、肥満を改善する薬です。
食事をすると、糖を下げるインスリンの分泌を促すホルモンが、消化管から分泌されます。その総称をインクレチンと呼びます。GLP-1やGIPはインクレチンの一種です。
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は下部小腸や上 部大腸に存在する L 細胞、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)は十二指腸や 上部小腸に存在する K 細胞から分泌されます。
分泌されたGLP-1やGIPは血液中を流れ膵臓のβ細胞表面にある受容体を刺激し、β細胞内からインスリンを分泌させます。
胃腸の蠕動運動を抑制し、満腹感を感じやすくさせ、肥満を改善する作用もあります。
GIPは脂肪細胞に作用して、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌を促進します。
中枢神経系でGIP受容体およびGLP-1受容体に作用することにより食欲を調節します。
GLP-1は脂肪細胞での脂肪分解を促進し、褐色脂肪細胞では脂肪燃焼も促します。
GLP-1/GIP促進薬であるマンジャロは、例えば5mg/週の用量では平均の体重78.3kg, HbA1c 8.1%の群において、1年後に平均の体重を5.8kg, HbA1cを2.4%下げると報告されています。
生活習慣病について
肥満症、高血圧、高コレステロール血症、高尿酸血症(痛風)などの生活習慣病の治療を行います。
食事療法、運動療法を患者さま一人一人の生活環境に合わせて行います。薬物療法はエビデンスに基づき、必要な場合のみ行います。
禁煙外来、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療も御相談下さい。
*原発性アルドステロン症などに伴う、2次性高血圧(難治性高血圧)も御相談下さい。

InBody(インボディ)検査。体脂肪量・筋肉量を測定。
当院では体脂肪量・筋肉量を測定する、InBody(イン・ボディ)検査を実施しています。
糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠障害などの生活習慣病は内臓脂肪の蓄積が原因の一つです。
「疾患を悪化させる体脂肪量」と、基礎代謝をUPさせ「疾患に良い影響を与える筋肉量」を測定することで、適切な生活指導と、治療意欲の向上を図ります。
生活習慣病ではない患者様も、ご希望があれば追加の費用負担なしで毎回測定いたしますので、来院時にお声がけください。
いびき・睡眠時無呼吸症候群


【自覚症状】
- 夜間のいびきの指摘
- 夜間に眼がよく覚める
- 日中の倦怠感
- 仕事上の不注意
- 交通事故のニアミス
【リスク因子】
肥満など生活習慣病、甲状腺機能低下症など内分泌疾患
【検査】
① 簡易検査・・・携帯型睡眠時無呼吸検査
- 携帯型の機器を貸出して、ご自宅にて行います。
- 一晩、寝てる間だけ装着して頂ければ、結果が分かります。
② 精密検査・・・終夜睡眠ポリグラフィ検査
- 診断や治療において、簡易検査より得られるデータでは不十分な場合は、精密検査を行います。
当院外来で施行できます。(一泊入院での検査も差額ベッド代なしで承っています)
【治療】
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP治療(マスクを介して気道内に陽圧をかけて、気道の狭窄を防ぐ治療)や歯科的治療(マウスピースの作成)などを行います。ナステント® のフィッティングも行っています。




























