睡眠障害

「不眠症」「過眠症」「概日リズム睡眠障害」

睡眠の質や長さは、生活環境、生活リズム、恒常性をつかさどるホルモンの影響を受けます。

生活環境とは、室温、湿度、布団の固さ、枕の高さ etc.
生活リズムは、食事時間、仕事で活動する時間、入浴のタイミング、日光を浴びる時間、スマホをみるなど人工的な光刺激を受ける時間 etc.
恒常性をつかさどるホルモンとは、睡眠を促すメラトニン、深睡眠を維持する成長ホルモン、起床の準備を促すコルチゾール etc.

また、アトピー性皮膚炎による掻痒やアレルギー性鼻炎による鼻閉、心疾患や肺疾患による呼吸中枢への影響、気道狭窄による閉塞性睡眠時無呼吸症候群など、原疾患により二次的に睡眠が障害されている場合もあります。

当院では問診、睡眠日誌記録、血液検査、終夜睡眠ポリソムノグラフィ検査などで睡眠障害の原因検索を行い、個々の患者様の病状に応じた生活指導、薬物療法、持続陽圧喚起呼吸療法などで睡眠の改善を行います。

いびき・睡眠時無呼吸症候群

6482470ba0001f430f6ae3f40da61ece
54d1434ca476a9aca0084150c56a43c9
【自覚症状】
・夜間のいびきの指摘
・夜間に眼がよく覚める
・日中の倦怠感
・仕事上の不注意
・交通事故のニアミス

【リスク因子】
肥満など生活習慣病、甲状腺機能低下症など内分泌疾患

【検査】
① 簡易検査・・・携帯型睡眠時無呼吸検査
・ 携帯型の機器を貸出して、ご自宅にて行います。
・ 一晩、寝てる間だけ装着して頂ければ、結果が分かります。

② 精密検査・・・終夜睡眠ポリグラフィ検査
・ 診断や治療において、簡易検査より得られるデータでは不十分な場合は、精密検査を行います。当院外来で施行できます。

【治療】
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP治療(マスクを介して気道内に陽圧をかけて、気道の狭窄を防ぐ治療)や歯科的治療(マウスピースの作成)などを行います。ナステント® のフィッティングも行っています。

睡眠時無呼吸症候群(解説)

睡眠時無呼吸症候群とは寝ている間に呼吸苦が止まったり浅くなったりすることで、体の酸素が足りなくなってしまう病気です。
空気の通り道が細くなって起こる閉塞型と脳の働きが低下して呼吸の調節がうまくできなくなる中枢型がありますが、大半の方は閉塞型です。
原因としては肥満が多いですが、あごやのどの形で無呼吸になりやすい方もいます。
いびきがひどい、起きた時に体がだるい、日中の眠気などが主な症状で、日常生活に支障をきたす以外にも、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞などといった病気との関連があるため、放っておくのはよくありません。

このような症状で受診された方にはまず自宅で簡易検査を一晩行ってもらいます。簡単な機械をつけて眠るだけなので難しい操作はいりません。その時の無呼吸の回数により、これ以上検査は必要のない方、精密検査が必要となる方、精密検査をせずにそのまま治療を行う方に分かれます。
精密検査は12日の検査となります。与田病院では、時間がない方向けに、22時までに来院、翌日、早朝6時以降に退院と最短時間で検査を行っています。

治療はCPAP(シーパップ)という気道に陽圧をかける機械をつけて眠ることで、無呼吸を防ぐことができます。
マスクは鼻だけにつけるタイプや鼻を覆うタイプ、鼻と口を覆うタイプがあります。最初は機械をつけていると眠れない方でも、慣れてくると眠れるようになる方が多いです。
基本的には生涯治療が必要となることが多いですが、ダイエットをがんばって治療がいらなくなる方もいますCPAPを行うには定期的に通院してその効果を確認し、時に設定を変更する必要があります。睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思われる方はぜひご相談ください。