「腸活」で腸内環境をととのえる

2024年03月02日 |カテゴリー「生活習慣

近ごろ「腸活」という言葉を耳にすることがあります。
「腸活」とは、腸内環境を良くするために食事に気を付けたり必要な運動をしたりする活動のことを指すようです。
今回は、腸内細菌と健康についてお話したいと思います。


ヒトの腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。
これらは、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)や腸内フローラとよばれています。
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ヒトの腸内細菌は、
・善玉の菌
・悪玉の菌
・どちらでもない中間の菌
と大きく分けて3つのグループに分けられます。

腸内細菌の中で一番多いのは中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。
腸内細菌の種類は個人によって異なり、さらに食事や在住国などの要因によっても変わってきます。

身体の健康には、善玉菌の割合を増やすことが重要です。

悪玉菌

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悪玉菌は、
・たんぱく質や脂質が中心の食事
・不規則な生活
・各種のストレス
・便秘
などが原因で腸内に増えていきます。

腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、
これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。

善玉菌

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一方、健康的な腸内細菌は、
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢であり、その他の菌が劣勢である状態です。

善玉菌は乳酸や酢酸を作り、腸内を酸性にすることによって、
悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、
食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性を持つ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境をつくります。
また、善玉菌は腸内でビタミン(B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、葉酸)を作ります。
さらに善玉菌の身体を構成する物質には、身体の免疫機能を高め、
血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

腸内の善玉菌の割合を増やすには

腸内の善玉菌の割合を増やす方法は、大きくわけて

①健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する

②腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する

の2つあります。

①プロバイオティクスとは

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プロバイオティクスとは、
口から摂取し、腸内環境を改善することにより、有益な作用をもたらす生きた微生物
のことです。
ビフィズス菌乳酸菌があります。

ビフィズス菌や乳酸菌は、
ヨーグルト、乳酸菌飲料、ぬか漬け、納豆、栄養補助食品などに含まれています。

ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。
そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。

善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないといわれていますが、
死んでしまっても善玉菌のからだを作る成分に有効な生理機能が期待できます。

②プレバイオティクスとは

プレバイオティクスとは、

プロバイオティクスの栄養源となり、その働きを付ける物質
のことです。

つまり、良い働きをする微生物のエサとなる、ヒトの身体では消化されない食品成分のことです。

これらは消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌に「エサ」として利用されます。
それによって善玉菌が育ちます。

食物繊維(特に水溶性食物繊維)、難消化性オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖など)が挙げられます。

水溶性食物繊維は、野菜や豆類、ひじきやわかめなどの海藻、こんにゃく、大麦、りんごなど果物に多く含まれています。

オリゴ糖は、大豆、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなど食品にも含まれています。
特定保健用食品などで市販されているオリゴ糖の有効摂取量は1日あたり2~10gです。
しかし、オリゴ糖を急に摂取すると下痢を起こしたりおなかが張ったりすることがあります。
このような場合には、1回の量を2~3回に分けて摂取する、あたは1日あたりの摂取量を減らして数日間かけて推奨される摂取量まで増やす方法があります。
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これらを積極的に摂ることで、腸内細菌のバランスを良好に保つ効果が期待されています。

腸内細菌が健康的な状態であるかを知る一番簡単な方法は、便を観察することです。
善玉菌がたくさん酸を作っていると、色は黄色から黄色がかった褐色で、
においがあっても臭くありません。
形状はやわらかいバナナ状が理想です。

逆に黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。


「プレバイオティクス」と「プロバイオテクス」を組み合わせたものを、「シンバイオティクス」といいます。
「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」の相乗効果、
「シンバイオティクス」であなたも腸内環境を整えてみませんか。