今回は、骨の栄養についてお話したいと思います。
コツコツ骨活しよう!
2024年01月14日 |カテゴリー「生活習慣」
骨は常に壊されて作られる
骨は、一度完成したらそれで終わりではなく、
常に壊されたり作られたりと、約3か月サイクルで代謝を繰り返しています。
カルシウムは骨の重要な構成成分です。
カルシウムが骨に取り込まれることによって骨が作られます。
骨は、カルシウム以外にリン、タンパク質などからできています。
骨は、骨芽細胞(こつがさいぼう)によって、カルシウムを取り込み新しい骨を作る【骨形成】が行われると同時に、
破骨細胞(はこつさいぼう)によって古くなった骨を壊されカルシウムが骨から溶け出す【骨吸収】を繰り返しています。
通常はこの骨形成と骨吸収が常に繰り返され、骨が新しく置きかわることによって骨の強さが保たれています。
また、カルシウムは血液中にもあり、血液中のカルシウムの濃度は一定の範囲内に維持されています。
筋肉の収縮や神経の情報のコントロールなど、生命の維持に必要な多くの生理作用に関わっています。
食べ物から十分な量のカルシウムを摂らないと、骨の中のカルシウムを溶かして血液中のカルシウムの濃度を維持させ、生命の維持に必要な生理作用を優先させます。
骨はカルシウムの貯蔵庫ともいえます。
カルシウムの摂取量が不足した状態が続くと、貯金を切り崩すように骨のカルシウム量が減っていきます。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の代謝のバランスが崩れてしまった状態になり、骨の強さが下がります。
骨粗鬆症になると骨折しやすくなり、特に高齢者の方の場合、
腰椎や大腿骨の骨折によって腰痛や寝たきりの原因となります。
先にも書きましたが、
慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、カルシウムが骨から取り出される量が多くなることにより、骨量が減少し、骨粗鬆症になる可能性が高くなります。
骨の健康のためには、十分なカルシウムを摂取することが大切です。
骨粗鬆症は、カルシウム摂取が不足するだけが原因ではなく、さまざまな要因が関係しています。
加齢や人種、家族歴、過去の骨折なども一つの要因です。
また、女性ホルモンは、カルシウムの吸収を助ける働きをするので、
閉経後、女性ホルモンの分泌が低下するとカルシウムの吸収が下がりカルシウムが不足しやすくなります。
卵巣摘出・糖尿病・ステロイド薬・慢性肝障害など他の病気や薬が原因で起きる骨粗鬆症の場合は、年齢や性別に関係なく起こります。
骨量は、骨格の成長とともに20歳くらいまで増加し、成人期にピークを迎え、40歳頃から次第に減少していきます。
カルシウムを十分に摂れば、血液中に溶けだすカルシウム量を抑えられます。
成長期からしっかり摂ることが一番良いですが、高齢期を迎えてからでも遅くありません。
骨をじょうぶにする栄養素
カルシウムは、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、
成人1日あたり男性では700~800mg、女性では600~650mgを推奨量としています。
しかし、日本人は不足しやすい栄養素なので、意識してとることが大切です。
また、カルシウムの過剰摂取により、高カルシウム血症など健康被害がみられることから、
耐用上限量は18歳以上男女ともに1日2500mgまでと設定されています。
日本人の通常の食品からの摂取で耐用上限量を超えることは非常に少ないと考えられますが、サプリメントなどを利用する場合は注意が必要です。
乳製品や小魚など骨ごと食べる魚、野菜や大豆製品に多く含まれています。
普通牛乳コップ1杯(200mL)
カルシウム231mg
脂質7.4g
タンパク質6.3g
低脂肪乳コップ1杯(200mL)
カルシウム273mg
脂質2.1g
タンパク質7.1g
スライスチーズ1枚(18g)
カルシウム113mg
脂質4.4g
タンパク質3.9g
塩分0.5g
6Pチーズ1個(18g)
カルシウム113mg
脂質4.4g
タンパク質3.9g
塩分0.5g
ヨーグルト(脱脂加糖)1個(75g)
カルシウム90mg
脂質0.2g
タンパク質3.0g
プレーンヨーグルト(全脂無糖)1食分80g
カルシウム96mg
脂質2.2g
タンパク質2.6g
釜あげしらす25g(小分け1パック)
カルシウム48mg
さくらえび5g(大さじ1)
カルシウム100mg
さば水煮缶(50g)
カルシウム130mg
カルシウムの吸収率は食品によって大きな差があります。
牛乳・乳製品は約40%、小魚は約30%、野菜は約20%です。
牛乳中のカルシウムは、吸収率が高いうえ、1回の摂取量が多くカルシウム源として利用しやすいです。
LDLコレステロール値が気になる方は、低脂肪乳を利用すると、脂質摂取量を抑えることができます。
小松菜 ゆで60g(調理前68g)
カルシウム90mg
ビタミンK192μg
春菊 ゆで60g(調理前76g)
カルシウム72mg
ビタミンK276μg
チンゲンサイ ゆで60g(調理前85g)
カルシウム72mg
ビタミンK72μg
水菜 ゆで60g(調理前68g)
カルシウム120mg
ビタミンK72μg
ひじき ゆで60g(乾燥6g)
カルシウム58mg
切り干し大根(乾燥)10g
カルシウム50mg
納豆1パック40g
カルシウム36mg
ビタミンK240μg
たんぱく質5.8g
木綿豆腐1/3丁100g
カルシウム93mg
たんぱく質6.7g
絹ごし豆腐1/3丁100g
カルシウム75mg
たんぱく質5.3g
がんもどき1個100g
カルシウム270mg
たんぱく質15.2g
厚揚げ1/2枚100g
カルシウム240mg
たんぱく質10.7g
大豆水煮30g
カルシウム30mg
たんぱく質3.8g
高野豆腐
カルシウムの合成や吸収に関わるのは、ビタミンやミネラル、タンパク質です。
その中でも、特にビタミンKとビタミンDが必要です。
ビタミンKは、骨のたんぱく質の活性化に関わる補酵素として働きます。
納豆や緑の濃い野菜、海藻に多く含まれています。
小松菜や春菊は、カルシウムとビタミンKと両方多く含まれている優秀食材ですね。
ビタミンDは、鮭や青背の魚、うなぎなど魚類や卵黄、干ししいたけやきくらげなどきのこ類に多く含まれます。
また、ビタミンDは日光浴によっても体内で合成されます。
日焼けが気になる方は、手のひらを日光浴させるのも一つの方法です。
骨の健康のためには上記のカルシウムやビタミンK、ビタミンDの摂取が重要ですが、
エネルギーと栄養素を過不足なく摂ることも大切です。
バランスのとれた食事は、
主食(ご飯、パン、麺など)
主菜(肉、魚、卵、大豆料理など)
副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理など)
の揃った食事です。
このように書くと「品数を増やさなきゃいけないのかな、大変…」と食事の用意がプレッシャーに感じる方もおられるかもしれませんが、心配はご無用です。
主食、主菜、副菜に使われる食材を使っている料理であれば、品数は少なくても何も問題はありません。
毎日の食事で食品の偏りを減らし、さまざまな食品を食べると、それぞれの食品に含まれるさまざまな栄養素を摂取することができます。
また、適度な運動も大切です。
骨に刺激を与えることがポイントです。
ウォーキングや階段の上り下り、かかと落とし運動やジャンプも有効です。
骨粗鬆症の方は栄養だけでなくきちんと治療を
ここまで骨に関わる栄養についてお話しましたが、
すでに骨粗鬆症になっている場合は、食事だけではなくきちんと治療して骨折を予防することがとても重要です。
当院では骨粗鬆症の治療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
骨活のすすめ(外部リンク)の紹介
特に女性に向けた内容にはなっていますが、
厚生労働省より「骨活のすすめ」のサイトを2023年10月に開設されています。
年代別に知っておきたい知識や予防対策が紹介されています。
今回こちらの記事ではあまり触れることのできなかった運動についても書かれています。
10代編から60代以上編までありますので、どの年齢の方も一度チェックしてみてくださいね。













