菓子パンはパンじゃない!?

2022年03月26日 |カテゴリー「生活習慣

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あなたの朝食はごはん派ですか、それともパン派ですか?

日々お食事のお話を伺っていると、朝食にパンを召し上げる方が多いように感じています。
今日はみなさんが朝食によく召し上がるパンについてお話したいと思います。

さて、朝食に選ぶパンはどんなパンでしょうか。
食パン、ロールパン、クロワッサン…
それともジャムパンやスティックパンなど甘いパンでしょうか。

種類によって分類が変わります

糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)や食品成分表(八訂)を見てみると、

・食パン
・フランスパン
・ナン
・ロールパン(バターロール)
・クロワッサン

これらは、「穀類」に分類されます。

糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)では、
主にごはんやめんなど主食が分類されている「表1」に分類されます。


一方、

・ジャムパン
・あんパン
・メロンパン など

菓子パンは、食品成分表では「菓子類」に分類されます。

糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)でも、「し好食品」とされています。

パンの原材料を見てみよう

ここで、食パンとジャムパンの原材料をくらべてみましょう。
一例として、ある会社の食パンとジャムパンの原材料を載せます。
食パン

小麦粉(国内製造)、砂糖、バター入りマーガリン、パン酵母、食塩、米粉、醸造酢、(一部に小麦・乳成分を含む

いちごジャムパン

いちごジャム(国内製造)、小麦粉、糖類、マーガリン、卵、ファットスプレッド、パン酵母、小麦粉加工品(小麦粉)、食塩、乳等を主要原料とする食品、米粉、小麦たんぱく、大豆粉、加工油脂/ゲル化剤(増粘多糖類)、乳化剤、酸味料、香料、加工デンプン、酢酸Na、着色料(紅麹、カロチン)、リン酸Ca、増粘剤(アルギン酸エステル)、イーストフード、ビタミンC、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に卵・小麦・乳成分・大豆・りんごを含む)
食品表示は食品表示法でルールが定められており、
原材料の表示は、重量の多い順に記載されています。

つまり、食パンは小麦粉が一番多く、いちごジャムパンはいちごジャムが一番多い、
ということになります。

いちごジャムパンは、パン(小麦粉)ではなくいちごジャムがメインの食品になります。

食品成分表で詳しくみると…

パンは商品によって重量にばらつきがあるので、八訂食品成分表可食部100gあたりの利用可能炭水化物を比べてみましょう。

利用可能炭水化物のなかで、多く含まれるでんぷんとショ糖をピックアップしたいと思います。
利用可能炭水化物(質量計)は、ヒトの身体でエネルギーとして利用できる炭水化物の合計です。
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角型食パン 
利用可能炭水化物(質量計)48.2g 
でんぷん38.9g
ショ糖 0g 
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ジャムパン
利用可能炭水化物(質量計)56.2g
でんぷん24.7g
ショ糖22.9g
注目する点は、
角型食パンに含まれるショ糖は0gに対し、ジャムパンに含まれるョ糖は22.0g含まれる点てす。
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でんぷんは、ごはんなどに多く含まれている、ブドウ糖が長くつながったものです。
消化されると、ブドウ糖に分解されます。
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ショ糖は、砂糖の主成分です。

先ほどお示ししたいちごジャムパンの原材料を、もう一度見てみましょう。


いちごジャムパン

いちごジャム(国内製造)、小麦粉、糖類、マーガリン……(以下省略)

いちごジャムパンはいちごジャムが一番多く含まれています。
いちごジャムはいちごと砂糖(ショ糖)が主な原材料です。

砂糖(ショ糖)を多く摂ると…?

砂糖(ショ糖)の摂取比率が多いほど、

血中コレステロール、中性脂肪の増加、血圧の上昇などの心血管疾患リスクが上がること
2型糖尿病の発症リスクが増大する

といわれています(糖尿病診療ガイドライン2019)。

菓子パンは、パン(主食)を食べているのではなく、お菓子を食べているのと同じです。

パンを購入する時は、名称に「菓子パン」や「洋生菓子」と書いてあるものは砂糖が多く入っている可能性がありますので、
手に取る際に食品表示をご覧になってみてはいかがでしょうか。