高血圧の予防にはカリウムも摂ろう

2021年08月29日 |カテゴリー「生活習慣

塩分を控えることは、高血圧予防に大切ですが、
実は、カリウム(K)も大切なことをご存知でしょうか。


カリウムのはたらき

血液のカリウム濃度は、心臓や骨格の筋肉の活動のために一定の範囲内に維持されています。

身体の中のカリウムの多くは、細胞の中に含まれています。
細胞の外に多いナトリウムと作用しあいながら、
細胞の中の浸透圧を一定に保つように調節しています。

ナトリウムは、おもに食塩(塩化ナトリウム)として食事から摂取されます。
カリウムは、食塩から摂ったナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿への排泄を促す働きがあることから、
血圧を下げる作用があるとして高血圧の発症と重症化の予防に有効と考えられています。
また、むくみの解消にもつながると考えられます。

カリウムを多く含む食材は?

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・野菜類
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・果実類、ドライフルーツ
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・豆類、大豆・納豆
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・海藻類
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・いも類
カリウムは広く食品に含まれていますが、特に植物性食品に多く含まれています。

野菜や果物は、多くの種類がカリウムを豊富に含みます。
豆類では大豆やいんげん豆
いもでは里芋やさつまいも、やまといも
海藻では刻みこんぶ、干しひじき、おぼろこんぶ
その他ではアボカドやカツオ、するめなどにも多く含まれます。

じょうずなとり方

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おすすめは、野菜や海藻類をたっぷりとることです。
食物繊維もとることができますね。
最初に食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができますし、食べ過ぎも防ぐことができます。
肥満解消も、血圧管理には大切なことです。

毎食、生なら両手1杯、加熱したものなら片手1杯を目安にしてくださいね。

カリウムは、水に溶けやすい性質があります。

果物や野菜をそのまま食べたり、
煮る場合は、みそ汁やスープなど煮汁ごと食べられる料理にするとよいかと思います。
具だくさんにして、汁を少な目にすると、摂取する塩分量を抑えることができます。

注意点

糖尿病の方は、いくらカリウムが豊富に含まれるといわれていても、
いも類・果物の食べ過ぎは、糖質のとり過ぎにつながってしまうので要注意ですよ!
適量を食べましょう。
果物を干したドライフルーツについても、カリウムを多く含みますが、
果物の栄養がぎゅっと詰まっているので特に食べ過ぎには注意です。
(糖尿病食事療法のための食品交換表では、ドライフルーツはし好品の仲間になります。)

●腎不全など、腎臓の機能が下がりカリウムを制限するようにいわれている方は、
高カリウム血症になり命に関わる不整脈などを引き起こす恐れがあるので、
医師の指示に従ってカリウムを制限してくださいね。

腎臓の機能が低下していない方は、仮にとり過ぎたとしても尿中に排出されるので、
普通の食事で過剰症になることはありません。

ワーファリン(抗凝固剤)を服用している方は、ビタミンKを多く含む緑黄色野菜や海藻類、納豆などの摂取は控えるよう指示されていると思いますので、それに従ってくださいね。

わからないことや不安なことがある場合は、医師や管理栄養士にご相談くださいね。