「慢性疲労と鉄欠乏・腎性貧血治療抵抗性との関連」について院長が英文誌に発表しました(共著論文)
➤腎不全患者の約8割が疲労を自覚しており、疲労は心血管障害のリスクとなります。
➤腎性貧血およびその関連因子である鉄代謝や慢性炎症、低栄養、尿毒症物質の貯留など
貧血治療への抵抗を示す因子と、疲労との関連を検討しました。
➤この結果、貧血そのものより、
鉄欠乏や貧血治療への抵抗を示す因子が疲労の増悪と強く関連することが示されました。
<当院での取り組み>
【疲労の原因となる主な疾患の検索】
① 糖尿病・甲状腺機能低下症など代謝・内分泌疾患
② 肝不全・腎不全などの臓器障害
③ 不眠・貧血・低栄養・慢性炎症など
⇒①~③のような明らかな疲労の原因となる疾患を有する場合は、すみやかに治療を行います。
【慢性疲労症候群の診断】
問診と疲労の原因となる疾患の鑑別を行い、ガイドラインに従い慢性疲労の診断を行っています。
【慢性疲労症候群の治療】
上記①~③のような血液・画像検査で捉えられる明らかな疲労の原因が見つからない場合は、生活リズムの改善、ビタミン補充、酸素療法など最も適当と考えられる治療法を患者様とよく相談して決定します。
<原著>
Association of Erythropoietin Resistance with Fatigue in Hemodialysis Patients: A Cross-Sectional Study
Yamasaki A., · Yoda K., · Koyama H., · Yamada S., · Tsujimoto Y., · Okuno S., · Okada S., Inaba M.
Nephron 2016;134:95-102.
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